パソコン(Windows10)でいつも仕事しているけども、Excelを起動するだけなのに10秒以上かかるなど、何をするのにも動作が遅くてイライラ――そんなあなたに、総務で10年以上社内のパソコンを調達・設定してきた私がやっている、ちょっと差がつくパソコンのセットアップ方法やテクニックを紹介するので、ぜひ試してほしい。
時間がなくても大丈夫。2つのアプローチだけでかなり改善される。
ここで紹介する方法は、パソコンを購入するところから初期設定(後でもできる)までの、たった2つのアプローチである。
「ちょっと差のつくハードウェアの選び方」、と「ちょっと差のつくパソコン設定」の2つのアプローチに分けて紹介するので、できることからやってみるといいだろう。
1.ハードウェアをきちんと選ぶ!
まず最初に紹介するアプローチはハードウェアの選び方である。しかし、職場においてPCを選定することができる方でなければ、希望通りのパソコンを手にすることが難しいかもしれない。特に管理が行き届いている大企業で働く方などは難しいと思われる。なので、無視して2つ目に進むか、プライベートで使っているPCを早くするにはどうすれば良いかという情報として読んでいただきたい。
ハードウェアでPC高速化するなら、とりあえずSSD
居酒屋ならとりあえずビール、パソコンならとりあえずSSDで、といった具合に、兎にも角にもSSDを優先したい。
PCを速くするうえで、ハードウェア的に重視すべきは、ストレージ、メモリ、CPUである(順番も大事)。まずストレージであるが、従来のPCでは安価で大容量なHDD(ハードディスク)が主流だったが、ここ数年はSSDの価格も下がり、仕事で使用するには十分な容量が確保できるようになった。同じ要領のHDDと比べ軽く2倍以上速くなる(個人の感想です)ので、まず第一優先にしよう。
なお、大容量のストレージが必要だけど費用がかけられないという方は、いわゆるCドライブ(OSがインストールされているドライブ)を大容量にしようとしてしまうと、SSDはHDDよりも高額になってしまうので、SSDは128GB程度にして、外付けHDDなどで増強するのがいいだろう。ただし、外部接続するHDDは必ずUSB3.0などの転送速度が速いものにすること。そうでなければ、OSの起動は速いが、HDDのデータを扱う作業のときにパフォーマンスが落ちてしまうので、注意が必要だ。
次いでメモリとCPUに気を使う
2番目に気を使いたいのは、メモリであるが、現時点(2019年6月現在)でストレスなく仕事をしたいのであれば、8GBは死守したい。4GBに費用を落としたところで、差額が5,000円~10,000円程度しか変わらないので、あまり妥協したくないところ。基本的にメモリは、複数の作業を多く同時にこなすときや大きなデータを処理するときの速度に関係してくるので、Adobeの製品(PhotoShop、Illustratorなど)を使って、バリバリデザインなどをされる方は16GB以上はないとツライ。
3番目にPCを買う上で気を使うポイントは、CPUであるが、お金に余裕がない場合は正直こだわらなくて良い。とはいえ、インテル製であれば、Corei3、i5、i7シリーズにはしておきたい。私のPCはAMD製(Ryzen5)だが、だいぶ具合が良いので、Ryzen3,5,7シリーズもおすすめしておく。なお、私の仕事では必要がないが、さきに触れたようにデザインをしたり動画を編集するのであれば、CPUもさることながら、グラフィックボード(ビデオカード)も気を使うといいだろう。CPUがどんなに良くても、画像処理が追い付かないということもあって宝の持ち腐れになりかねない。
どれかの性能だけ突出してもダメ、バランスが重要
ハードウェアはバランスが大事である。CPUだけ突出して良くてメモリが少ないようなPCは、頭の回転はめちゃめちゃ速いけど、ぜんぜん覚えられないから思い出すのに時間がかかる・・といったようなことになるので、予算に合わせてバランスよくチョイスすることを心がけよう。私が今普段使っているノートPC(およそ税抜7万円)の主な仕様を記載しておくので、参考にしてほしい。
● ストレージ: 256GB SSD
● メモリー: 8.0GB
● CPU: AMD Ryzen 5 2500U
※メールソフト、チャットソフトを常時立ち上げ、ブラウザで調べ物をしつつ、Excel、Word、PowerPointで複数資料を編集しながら、給与計算ソフトやクラウド会計ツールなどで、月次の処理もストレスなくこなせている。
おまけ コスパの高そうなパソコンの探し方
おまけに私がパソコンを探すときにやっている方法をおすそ分けする。あくまでひとつのやり方として参考程度にしてほしい。
ひとことでいうと、価格ドットコムでスペックを指定して検索するだけである。
詳しくはこちら(別ページを開く)で解説。
スペック検索では、上記の3つ以外に、例えばノートパソコンの重さは軽いほうが良ければ、「重量1kg以下」など条件をつけることで、さらにこだわりの検索ができるので、調達の際に役に立つだろう。
2.初期設定の段階で遅くなる原因を取り除いておく!
ここからは、パソコン(Windows10)自体の設定を初期設定から変えておくことで、ハードウェアほどではないが、少し差がつく設定例を紹介したい。初期設定とは言いつつも、今使用中のパソコンでもできるのでご安心を。
不要なアプリ(ソフト)は削除する
PC設定で速度面もさることながら、セキュリティ的にも有効なのが、不要なアプリ(ソフト)をパソコンに入れないことである。
メーカーにもよるが、パソコンをセットアップした直後は、バンドル(大人の事情で最初から入ってる)アプリが入っていることがあり、使わないものはアンインストールしてしまいたい。ただし、会社で必ず入れると決まっているようなアプリ(例えばアンチウィルスソフト)を消してしまわないよう注意しよう。
私が会社のPCを購入したときによくあるのが、バンドルされたアンチウイルスソフトによる動作遅延。
会社で入れるべきアンチウィルスソフトはこれとは別に決まっていて、OSセットアップ後にインストールしているのだが、2つもアンチウイルスソフトを同時に動かすと遅くなってしまう。
なので、OSセットアップ後に不要な方をアンインストールしている。
設定箇所についてはときどき画面が変わるので参考程度にこちら(別ページを開く)を見てほしい。
また、仕事に必要なソフトをインストールするときにあるのが、一緒にくっついてくるソフトにも注意したい。よくあるのは、PDFが見たいのでAdobeReaderをインストールしようとしていたら、とある(某〇カフィーの)セキュリティソフトが気付かずインストールされていた、というパソコンである。これはAdobeReaderのセットアップ中に、一緒にインストールするかどうかをユーザーが選べるのだが、「インストールする」にチェックがついているのを見逃して意図せず動いていたということがあるので、社員へPCにソフトをインストールするときの注意を喚起したい。
クイックアクセスで不要なものを表示しないようにする
Windowsユーザーは自分のPCのファイルにアクセスするときなどは、エクスプローラーを使っていると思うが、クイックアクセスというものがある。
よく使うものを、探しやすい場所に常に表示しておく機能だが、その中に「最近使ったファイル」と「よく使うフォルダー」というものがある。絶対にこれは外せないという方は、次の方法に飛んでもらって良いが、実はこの設定、あることの動作を遅くする原因となりうることはご存じだろうか?
ウェブサイトなどで、ローカルPCの画像やドキュメントをアップロードしようとすると、異様にファイル選択画面が開くのに時間がかかる、といった経験をしたことがある人はぜひ試してみてほしい。
私も数年これにイライラを感じてきたのだが、これを解決する方法として、エクスプローラーのオプション設定を変えるだけで、良かったりする。
具体的な手順はリンク(別ページを開く)を参照。
なお、この設定を変えるとよく使うフォルダやファイルへがエクスプローラーに表示されなくなるので、ファイルへのアクセスが面倒になりそうだが、後述するタスクバーなどへの「ピン留め」を使えば、エクスプローラーを開いて、ファイルがどこにあったかを思い出して、そのフォルダを開いて、、といったことがなくなるので、そちらをオススメしたい。
ピン留めを使いこなし、デスクトップをきれいにする
こんなデスクトップに見覚えはないだろうか?
デスクトップにショートカットを置きまくっている状態では、
- 探すのに時間がかかる
- デスクトップの画面描写にも負荷をかける
- 人(特に社外)に見せてはいけないものまで見せてしまう
といったデメリットが挙げられる。ちなみにメリットはあまりなさそうである。
これらを改善して仕事を速くするテクニックがピン留めである。
Windowsのピン留めとは、タスクバーやスタートメニューにショートカットを置く機能である。これを使いこなすとほかの人よりちょっと差がつくかもしれないし、あなたが社員のPCをセットアップするような方であれば、全社員に必要なものをスタートメニューやタスクバーに先んじてピン留めしてあげておくことで、社員がどこを見ればいいか共通化できるので、いちいち「あれどこにあったっけ?」と聞かれることも減るかもしれない。
私がよく使うやり方をまとめたものはこちら(別ページを開く)
ピン留め機能がよくわからない、どうしてもデスクトップが片付けられない、という方は最後の手段として、デスクトップに「いったんここに」のような名前のフォルダを作り、そこにファイルを置いておくだけでも見た目がスッキリして仕事がはかどるかもしれない。
まとめ
ここであげたのは最低限おさえておきたいことしか触れていないので、ほかにもグラフィックの品質を落とすとかいろんな方法がある。もし知りたければ、「パソコン 高速化」などのキーワードで検索すれば無数に出るので見てほしい。
最後に、私が総務の立場として、一貫して守っていることは「使わないものはOFFにする」である。いろいろ便利なソフトを入れて使いこなすという考えもあるだろう。が、余計なものを入れないパソコンを使う癖付けをしていれば、パソコンを買い替えたときや、パソコンが壊れて代わりのパソコンで作業をしないといけないときも、いろいろソフトをインストールする必要がないので、すぐにいつも通りの仕事にとりかかることができる。最近はクラウドサービスのおかげでインストールしなくてよくなっているので、そういうところでもちょっと差のつく効率的な仕事ができる。
働き方改革の一助になればうれしいかぎりだ。
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